わたしは、インハウスデザイナー兼広報として働いています。
未経験で広報を任されてから1年。最初のうちは、提案がなかなかうまくかみ合わないことが続きました。自分なりに考えたつもりでも、どこかズレている感覚があって、なぜうまくいかないのかが分からない時期がありました。
振り返ってみると、その原因は「伝え方」ではなく、判断できる形に整理できていなかったことだったと感じています。
正解がない広報の仕事
広報の仕事には、明確な正解がないことに気がつきました。広報の仕事は会社によってさまざまで、何が正解かが見えにくい仕事だと感じました。社内にも参考にできるものがなく、どこから手をつければいいのか、手探りで進めていました。
どの施策が正しいのか
どこまで攻めていいのか
何を優先すべきか
ニュアルはもちろんなく、最終的な判断は上長に委ねられることがほとんどです。
また、実際に仕事を進める中で感じたのは、事業の方向性や優先順位が状況に応じてどんどんアップデートされていくということでした。この変化に自分の整理が追いつかないと、提案がかみ合わない状態が続きます。
うまくいかなかった理由を考えてみた
当時は、自分のスキルが足りないからだと思っていました。
でも振り返ると、問題はそこだけではなかったのかなと1年経って思うことがあります。
・判断基準を自分がきちんと把握できていない
・何がOKで何がNGなのか、自分の中で整理されていない
・業務のスピード感の中で、情報が整理されないまま話が進んでしまう
この状態では、やはり物事がなかなか決まりません。判断材料をいかに整えるかが重要だということを痛感しました。
改めて気づく、理由を添えることの大切さ
そこで、少しずつ意識するようになったのが、「なぜそうしたのか」をセットで伝えることでした。
それまでは、
「こういうデザインにしました」
「この構成はどうですか?」
と結果だけを出してしまうことが多く、判断する側からすると根拠が見えない状態になっていました。
その状態だと、良いのか悪いのか判断しづらい、どこを直せばいいのか分からない、結果として話が止まってしまう——ということが起きていたのだと思います。
そこで、なぜこの構成にしたのか、なぜこの見せ方にしたのか、何を優先してこの形にしたのか、といった背景も一緒に伝えるようにしました。なるべく分かりやすいように、カタカナの専門用語は使わないなどの工夫もしました。
まだ毎回できているわけではありませんが、理由を添えて出せたときは
「ここはいい」
「ここは変えたい」
といった具体的な会話が生まれやすくなったと感じています。
少し整理すると、会話が変わる場面が増えた
理由を添えたり、少し整理してから出したとき、会話の内容が変わる場面がありました。
これまでは話がなかなか前に進まないことが多かったのですが、どこを基準に見ているのか、どこに違和感があるのかを言葉にしてもらえることが増えた感覚があります。
ただ、毎回うまくいくわけではなくて、かみ合わない状態に戻ることもあります。それでも、修正の方向が見えやすくなる、やりとりの無駄な往復が少し減る、といった変化は感じています。
「伝わらない」の正体
この1年を振り返ってみると、伝わらなかった原因は「言い方」ではなかったように思います。
判断するための材料が足りていない
比較できる状態になっていない
そもそも選べる形になっていない
こういう状態のまま出してしまうと、どれだけ丁寧に説明しても話は止まってしまいます。逆に、少しでも整理された状態で出せたときは、会話が前に進みやすくなる場面がありました。
まだ試行錯誤の途中ですが、この違いには少しずつ気づけてきた気がします。
まとめ
広報の仕事は、何かを発信することよりも前に、曖昧な状態をそのまま形にするのではなく、一度整理して判断しやすい状態にすることが大切なのだと感じています。
まだ毎回できているわけではありませんが、この1年で気づいたことを、これからも少しずつ積み重ねていきたいと思っています。

